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理念
我々は人が目標を達成するためには、「心」、「技」、「体」の3つがバランス良く整っている事が重要と考えています。また、個人だけでなく、組織、チームにもこの指針は適用できると考えています。大学入試の数学のテストを例に取ると、全てのパターンの問題を記憶する事が出来るとすると確かに100点を取ることは可能かもしれません。試験に合格する事が目標であるならば、100点を取ると言う事は、すなわち目標を達成した事になるでしょう。しかし、このやり方には二つの問題が潜んでいると考えます。一つは、永遠に記憶することは出来ない事です。人間はコンピューターではありません。使わない知識、必要と思わない知識は記憶から消えていく事は誰もが経験しているのではないでしょうか。もう一つは、この方法は考えているのではなく、選んでいるにすぎない事です。確かに選択は、答えを導き出す際の時間短縮には有効な手段であり、必要な技術であると考えます。しかし、学ぶ事の本質でありません。知識は、読んだり見さえすれば得る事が出来ます。だからこそ知識以外の事を提供する事に価値があり、それが学ぶ事の本質と考えています。そしてこの二つの問題点は、新しい課題の解決に対して大きな影を落とすことになるでしょう。我々は、目の前の成功だけでなく、中、長期の成功を、その場の成功ではなく、継続的な成功を目指します。それを実現させるのが、 「心」、「技」、「体」の3つの視点であると考えます。
■心(Philosophy)
「心」とは、目標を明確にするとか、自身を律する強い心を持つとか、そう云う事を言っている訳ではありません。確かに、目標を持つ事、努力を惜しまない事は重要であり、我々の指針である「心」の概念に含まれてはいます。しかし、最も重要なポイントではありません。実際に経験したことですが、ある高校生が1ヶ月後の定期試験で平均点以上を取りたい、その為の努力は惜しまないと相談された事がありました。普段、赤点ギリギリの点数だったため、1ヶ月必死で勉強したとしても難しい状況でしたが、範囲も膨大で、定期テストはまだ続く事も考えると、基本を積み上がるのが遠回りの様で近道である、まさに急がば回れであるとアドバイスしました。すると彼は、部活動が忙しく週一回2時間しか勉強時間が取れない為、そのやり方では無理だと思うので他の方法を提案して欲しいと言い出しました。その後、お父様ともお話させて頂いたのですが、その生徒も聞いている中で、ゆくゆくはそのスポーツで生計を立てさせる予定なのでテストの点だけ取れれば良いと説明されました。私は、かなり難しい課題であり、一番苦しんでいるのは本人であると思うと言うことしか出来ませんでした。この話に「心」の本質が隠されています。一言で言えば、「正しく考える事」が目標達成には必要であると、我々は考えます。ここで言う「正しい」とは善悪ではありません。正に「哲学」が目標達成には必要だと考えます。
■技(Capability)
「技」とは、知識を自身に取り込む事、そしてそれを自在に取り出す事とであると考えています。正にあらゆる意味で技術そのものです。この技術はあらゆる人に、あらゆる組織に、あらゆるチームに共通なものでしょうか。確かに共通な技術はありますが、我々はその人、その組織、そのチームに固有な技術があり、それを確立させる事が必要だと考えています。去年、有名大学に合格した学生が、高校生たちに向かって自信満々で知識をひけらかし、それを聞く高校生はその通りにすれば東大に合格する事が出来ると思い必死で聞いている、そんな光景を何度も目にしました。本当は薄々気づいているのではないでしょうか。そんな事をしても可能性は高まらない事を。なぜなら技術はその人、その組織、そのチームに固有なものだからです。やらなければならない事は、自身を深く知り、自分にあった技術を確立する事です。時に自身を知る事は苦痛を伴います。時に技術を確立することは困難を伴います。我々はその事実を認めた上で、自身を知る事、技術を確立する事を止めない様に、叱責し、励まし、提案し、指摘し、あらゆる方法を持って支援する事が重要と考えています。
■体(Ability)
「体」とは、能力と考えています。例えば、10kgの物体を持ち上げる為には重力加速度を9.8m/s2とすると、運動方程式:F=maより98Nの力が必要です。自身の力だけで持ち上げる事が条件ならば、いくら頑張っても98N以上の力を持っていなければ持ち上げる事は出来ません。これを能力と考えています。筋力トレーニングをし、プロテインを飲む事で98Nの筋力を持てば良いのではと思われるかもしれません。問題なのが、人によってはいくらトレーニングをしても力が備わらない場合があるのです。一般的な認識では、能力は先天的なものであると考えられています。では、能力は本当に向上出来ないのでしょうか。我々は、能力の種類によっては向上する事が出来るのではないかと考えています。学問の世界はその向上が期待出来る数少ない領域の一つではないでしょうか。能力は目標達成に対して絶大な力を持っています。確かに、大きな向上は期待出来なかもしれませんが、そこに着目しない訳には行かないと考えています。我々は、まず自身の能力を把握する事、そしてその能力を向上する為に努力し続ける事が重要であると考えています。
講師紹介
大学を卒業後大手鉄鋼会社に入社し約20年に渡り要職を歴任のした後、外資系企業に転職し約5年の間、業績に貢献。その後、塾講師、中学校、高校への派遣講師、家庭教師として現在に至る。会社での経験をもって現在の教育現場の問題点を肌で感じ、個人、組織、チームにも適用可能な「心」「技」「体」の目標達成メソッドを考案し、現在も現場で奮闘している。教育現場の問題点は、小、中、高、大を通じ、「子供が子供を教えている事」と言い切る。