学力と得点と因数分解
2024/11/18
■意味のある得点と意味のない得点が、本当にある。
勉強嫌いの中学3年生に、どうやったら勉強を自発的にするようになるかと奮闘していた時に、実際に経験した事です。その生徒の数学の定期テストの点数は毎回30点前後だったのですが、組み合わせを使った単純な因数分解の問題はほぼ100%正解出来たのです。この種の因数分解は、高校で二項定理として学習する大事な内容です。確かに、組み合わせというパターン化された単純な作業で正解が導き出せると言ってしまえばそれまでなのですが、その生徒は相変わらず勉強嫌のままだたのにも関わらずです。この現象はどう説明されるべきなのでしょうか。生徒と会話し観察した結果、ある結論に辿り着きました。その生徒は、「因数分解」と言われたら、パターン通りに掛けた数字と足した数字の組み合わせが一致する数字を、只々書いていただけでした。因数分解の意味も、その目的も、それが正しいか確認する動機も、何も持ち合わせてはいませんでした。これは何を意味するのでしょうか。
現在の評価方法では、学力が低くても得点する事が可能である。別の言い方をするなら、100点を採ったからと言って、学力が高いとは限らないと言う事です。この生徒は、社会から要請された勉強する目的を決して達成してはいないのです。然しながら、表向きはこの事が判らないのです。この様な学習をし続けた人が社会に出て、しかも社会的に権限を持った立場になると、社会はどうなってしまうのでしょうか。現在、社会で起こっている様々な事件が、既に教えてくれているのではないでしょうか。だからこそ、教える側がこの事を意識すべきだと思います。
現在の評価方法が変わらないのであれば、点数を採るためだけの教え方を決してしてはならないのです。
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